「っく・・・スクアーロ・・・っ!!」






あ?呼んだかぁ?
なっ、お前、泣いてやがんだぁ!!
う゛お゛ぉい!!誰だ、お前を泣かせたのは!!ベルか!?オカマか!?ボスかぁ?!

オレが今すぐ行って、お前を泣かした奴を叩き斬ってきてやるから泣くんじゃねぇ!

なぁ、おい聞こえてんのか!!
シカトしてんじゃねぇ!!





「スクアーロ・・・起きてよっ・・・ねぇっ・・・」





何寝ぼけたこと言ってやがんだぁ?
オレは、こうして起き・・・て・・・

って、う゛お゛ぉい!!なんだありゃあ、俺の体じゃねぇかぁ!!
なんだぁ?!どうなってやがる!
ドッペルゲンガーとかいうやつかぁ!?(あれって見たら死ぬんだったよな!?う゛お゛ぉい!!)




「アレはね、キミの躯だよ」




・・・誰だぁ?




「僕は、死神さ。
 今日キミが死ぬことが決まっていたから、キミの魂を迎えに来たんだよ」




オレが死んだだぁ?
冗談じゃねぇ、オレはまだ死んでなんか・・・




「じゃあ、よく見てご覧よ。キミの【抜け殻】を
 
 心臓に銃創が一発。即死だったんだね。だから、キミに死の実感が無いんだよ」





おいおいおい・・・うそだろぉ?





「まだ信じないの?じゃあ、キミの躯を抱いて泣く彼女は、なんなんだい?」





・・・・・・・・死んだ、のかぁ・・・?





「そうさ

 理解してもらったところで、そろそろ時間なんだ。門が閉じてしまう

 早く行かないと、輪廻の輪に入れなくなる」






な、おい!!ちょっと、待ちやがれ!!






「・・・何だい?僕も忙しいのだけれど」





アイツに・・に・・・




「別れの言葉なんて、止めておいた方がいい

 未練は、転生を遅らせる

 届かないんだよ。生きてなければ彼女には。自己満足でしかないんだ」





・・・・・・・・





「彼女の涙を止める事が出来るのは、生きていた頃のキミなんだよ。スクアーロ」





もう、オレには・・・
 


手を翳せば向こう側が見えて、あぁ、もうオレの体には実体なんて無いんだなと実感させる



アイツの涙を止める事なんて、もうオレには出来やしねぇんだぁ





決壊



(悪いなぁ・・・)


 



不思議な話だなぁ・・・←