021 プラス思考








「あーあ。暗い顔しちゃってー」






「お前には関係ないだろう」






「大いに関係あるわよ。

 そんな顔した人間が近くにいたらこっちまで気が滅入るじゃない」





「だったら、僕のそばに来なければいいだろう」







「それは私の勝手でしょう」







「僕は一人でいたいんだ」






「一人にしたら、ずっとソコでネガティブな考えを続けるでしょ」







「何を考えていようと僕の勝手だ」







「もっと物事明るい方向に考えなさいよ。

 じゃないと人生楽しくないわよ〜」







「僕の人生だ。お前には関係ないだろう。
 
 さっさとどこかへ行け!」







「はぁ・・・例えばよ」







「オイ!聞いているのか!?」







「今日はグレバムに逃げられてしまった

 けど、明日や明後日にはきっと捕まえられるだろう、とか

 
 神の目を奪い返す事ができればこんなうるさい連中とはおさらばできる、とか

 あ、これはちょっとホントに考えてそうね〜・・・

 プラスなのかどうなのか分かんないけど・・」






「オイ!・・・」






「あとは・・・そうね

 屋敷の中で父に束縛される事なく

 自由に生きることが、

 愛する人と手を取り合って生きていくことが出来る日が

 いつか・・いつか必ず来る、とかね」










「な・・!!」









「さ、買出しの途中だし私は行くとしますか!」







「オイ、待て!!!最後のはどういう・・・」







「私が言えるのは、『何事にもプラス思考であれ』ってコトよ

 じゃあね」










「プラス思考・・か・・」







『坊ちゃんがポジティブってのも何だか違和感ありますね』







「へし折るぞ」






『わー!!スイマセンでした!!だから折らないで!!』







「ふん・・・」







『あれ?坊ちゃん何だか楽しそうですね』







「いや・・・何でもない」











プラス思考に考えて




いつか、僕の気持ちに彼女が気づく日がある