017 朝の散歩





まだ日も出ていない早朝



いつもより早く目覚めたは、することもなく教団の外をぷらぷらと散歩していた。





「んー・・・まだちょっと眠いかな・・・」



ガサッ




「お?なんだなんだ?」





つい先程まで眠いと呟いていたはずなのに、今では音の正体を探るほうに気が行っているため



眠気が残っていた頭は一気に覚醒したようだ。










ガサガサと木や草を掻き分け前へ進む。




頭に葉がついてもお構い無だ。






真っ直ぐに進んでいくと、大きな木の根が隆起している場所へとたどり着いた。





は、そこにいた人物を見るや否や叫ぶ。





っきゃー!!ユウが変なプレイに目覚めたーっ!!





誰が目覚めるかっ!!修行だ、修行!!




の叫びを聞いた神田は、目隠しを取りくわっとを見、怒鳴る。






「あはは。冗談冗談」





「お前、冗談で済ます気無かっただろ」





「アレ?バレちゃった?」






てへと舌を出すを見て、神田は諦めたようなため息を一つついての近くに腰を下ろす。







「あれ、もう修行はいいの?」





「休憩だ」







ぶっきらぼうに言い捨てる神田を見ては目をぱちくりさせた後、くすりと笑った






「何がおかしい」






「いやさ、ことわざでさ「早起きは三文の徳」って言うじゃない?

 あれって本当だなーと思ってさ」







「ふん、何を徳したって言うんだよ」







「一つ目はー・・・うーん・・美容?





はっ





「鼻で笑うんじゃない。んで、2つ目が朝からユウに会えたこと」







はぁっ!?







「お、驚いてる驚いてる」







くすくすと音を立てて笑う。







「んで、3つ目は・・ほら、見えた」







の視線を辿ってみればソコには、キラキラと輝く朝日が








「教団の朝ってさー割とキレイなんだよね〜」






神田は朝日を見、を見る。





太陽の光を受け、輝くの滑らかな髪は風に靡き





陶器を思わせる白い肌は朝日によって美しく引き立てられていた。








「おい、








「ん?何ユウ・・・っ!!」








神田はの名を呼び振り返った所でそのまま強引に口付けた。







「っ・・・うわ・・びっくりした〜」








「ふん」









「ねぇ、ユウ」






「何だよ」






「私、四文も徳しちゃったよ」