ガラス玉







ガラス玉は脆い



揺さぶりをかけて落としてしまえば、あっけなく壊れてしまう




脆い 脆すぎる





そんなガラス玉を壊してしまったのは 僕













「なぁ、

 僕がいなくなるん、そんなにショックやったん?」






ベットの上で静かに眠る少女に問いかける

月光を浴びて白く輝く少女の頬には、未だ乾ききっていない涙の後が残っている







「最近じゃ隊舎にも顔出してないんやろ?

 イヅルが心配しとったよ」






言いながら頬の涙を拭う

彼女が目を覚まさないのを良い事に彼女のベッドに腰掛け眠っている彼女の顔を覗く



白い肌 

漆黒の髪

桜色の唇



何もかもが愛おしい、全てを愛した僕の一番大切な人






「なぁ、このまま僕と一緒に行かへん?」






目を覚ます様子の無いに向かい問いかける






「そしたら、が一人で泣かなくてもええやろ?」





「一人ぼっちじゃなくなるやろ?」






続けて問いかけるが、やはり返事はない

反応を示してくれないの様子を見て、ギンはベットから立ち上がり頭を掻く






「なんてな、連れてったら僕が愛染隊長に怒られるわ」





でも


壊れそうなんだ、僕が


君がいなくて、今度は僕が






「じゃあな、

 もう会えへんかもしれんなぁ」




へらへらと笑いながら、のベッドに近づいて

そっと、の目尻にキスを落す






「さいなら、眠り姫」





願わくば、夢の中だけでも幸せであってくれ















なんて、都合のいい願い