空が青い

今日も綺麗だ


ふわふわ漂う雲は眠気を誘うし、ぽかぽか照らす雲もいい感じに眠気を誘う

要は、良い感じの天気に眠いという欲望掻きたてられて眠いということなのだが

授業をさぼっている私にとって障害となるものはなにもないので

屋上と言う学校で一番日光のあたる場所で、惰眠を貪ることに決定した




ごろりと一つ寝がえりを打って、夢の中へと身を投じようとしたその時

ギィと音が鳴って扉が開いたのだと分かる




「お」




小さく、扉を開けた人物が声を上げた

仕方なしに視線を扉へと向ければ、そこにすでに人影は無く

代わりに太陽に照らされていた私の顔に影を落とした




「・・・山本かー」



「なんだ、もサボりか?」



「うん」




山本の顔はにっこりと笑っているのだろうが、逆光でよく分からない

太陽の眩しさに目を細めていると、山本は私の頭上から移動して横に腰を下ろした



寝る気満々だった私にしてみればこのまま寝てしまいたいところなのだが

せっかく来た山本を無下にするのも良心が痛むので、むくりと体を起こす





「今日はいい天気だな―」


「だねー」


、さっき寝るところだったのか?」


「うん」


「そっか、なんか悪いな

 起しちまって」


「いいよ、気にしないで」





授業をサボって寝ること事態が問題なんだから、山本を責める気なんてない。全然。

笑って返せば、山本はごろりと屋上の床へと寝転んだ

太陽の光を浴びながら、そっと山本は目を閉じる





「おー・・・確かに、眠くなるなー」


「でしょ」


「俺も寝るかな」


「そっか

 じゃあ、私も遠慮なく」




山本の隣でごろりと寝転がれば、ぎゅうと腰を抱かれる

驚いて、振り返れば山本の満面の笑みがすぐ近くにあった




「一緒に寝ようぜ」




なんてこと言うんだ、この男は

まぁ、山本だから許されるんだろう

こくりと頷いて、山本の温かさを背中に感じながら

いつの間にか私は夢の世界へ落ちていた



















「無防備だな・・・・」



ほとんど関心にも似た感じで、呟く

俺だって男なんだけどな

腕に抱くの体を感じながら、そんなことを思う


男として意識されていないのか

それとも別の何かか



「ま、いいか」


難しい事を考えるのは、好きじゃない

せっかくだから、今ここにいると寝ることにしよう

そう決め込んで、目を閉じる

僅かにそよぐ風が、心地いい




そんな俺達を起こす獄寺の怒声が響くまで、あと24分






今はどうにもならなくても、いつか俺だけを

(あ、おはよう隼人)

(おはようじゃねえ!!)











20090924 くろごま