愛唄










「ねぇ、


「ん?どうしたの綱吉」


は、本当にマフィアになんてなってよかったの?」


「随分いきなりだね」


「だって、そうだろ?

 だったら他にも生きる道があったじゃないか、医者とかさ」


「言われて見れば、そうだよね」


「笑ってないでよ。俺結構マジメに聞いてるんだけど?」


「あはは、ゴメンゴメン。

 だってさ、唐突過ぎるんだもん」


「俺も突然だとは思うよ。10年疑問にも思わず一緒にいたんだから」


「10年といえばいろいろあったよね

 最初会った時の綱吉は、妙にギクシャクした感じだったっけ?」


「いきなり転入生に『よろしくお願いします、10代目』なんて言われたら誰だって驚くよ」


「ヴァリアーとのリング戦で私が無理して死にかけた時とか、綱吉すっごい怒ったね」


「あんな無理したら怒るよ。

 それよりあの時は、生きててくれて嬉しかったんだけど」


「10年間一緒にいて初めてそんなこと聞いたよ」


「言うつもりは無かったよ」


「うあ、酷い

 でも、あの時からは想像付かないよね。私達が結婚するなんて」


「うん。
 
 でも俺はずっとが好きだったよ」


「へー・・・」


「反応薄い。顔真っ赤だし」


「う、うるさいな!!ほっといて!」


「フフ・・ねぇ、はどうだった?

 俺の事どう思ってた?」


「頼りないボス」


即答かよ


「あはは、ホント言うとね綱吉が頼りなかったから私はマフィア一筋で行こうって決めたんだよ」


「何だよそれ」


「9代目には恩があったし、9代目の為にもボンゴレを10代目の代で途絶えさせるわけには行かない

 私がマフィアとしてしっかりやって10代目をサポートしなくちゃって思ったの」


「ふーん・・・」


「あれ?何か綱吉怒ってる?」


「別に、怒ってないよ

 でも、昔俺は頼りなくてよかったと思ってさ」


「何で?」


「だって、俺が頼りなかったから今もは俺の傍にいてくれる訳だろ?

 組織の幹部として、俺の妻として」


「・・そーなる?」


「うん」


「うあ、自信満々

 ・・・って、アレ?」


「どうしたの?」


「一番最初の質問、意味を返すと『ホントに俺と一緒で良かったの?』って聞こえるんだけど」


「そういう意味を含めて言ったんだけど?」


「あ、そうだったの」


「で、最初に戻るけどどうなの?」


「愚問」


「また即答。

 でもさっきよりは嬉しいね」


「私だって、綱吉の事大好きだよ」


「知ってる」










僕は君と愛を唄う
(俺のほうは愛してる、だけどね)