「てめぇは俺の隊には必要ねぇ。
お前みたいに弱ェヤツは、暗殺部隊にはいらねぇぞぉ」
突如吐き捨てられたスクアーロの言葉に、少女――は眼を丸くする
徐々に言葉の意味を理解し始めたの顔は、悲しさと悔しさがないまぜになったような表情だ
スクアーロはその様子に眉間に皺を寄せると、反論しようとしないに向かい続けて言った
「お前みてェな雑魚は、どの隊に行っても使えねェ
とっとと止めちまえ。目障りだぁ、消えろ」
じっとスクアーロの顔を見つめながら、言葉を黙って聞いていただが
スクアーロからその言葉を聞いた後、は静かに、頭を下げてその場を静かに去った
最後まで反論も意見もしなかった彼女だが、最後に見せた頬を伝う涙だけは
スクアーロの頭に貼り付いて消えようとはしなかった―――
「――っふ・・・」
スクアーロの目の前から立ち去り、十分に距離の離れた人通りの少ない廊下では一人声を殺して泣いていた
溢れる涙は徐々に収まりを見せるものの、胸の奥のわだかまりは消えそうにも無い
の心のわだかまり
それは、スクアーロの言葉
否、正確にはスクアーロの吐いた嘘だろうか
スクアーロはに向かって、『使えない』だの『必要ない』だのといった言葉を多く投げかけていた
しかし、そのを罵倒する言葉を口にしたとき、スクアーロの眼は酷く悲しそうな色を帯びていた
――自分を偽り、悲しみを押し隠したような
それが、スクアーロが自らを危険な前線から退かせ擁護する為の嘘なのだと気付いた時、涙が零れた
あんな言葉、心にも思ってない
アイツを悲しませたかった訳じゃない
ただ、アイツをこれ以上危険な目に合わせたくなかっただけで
俺には、こんな方法しか思い浮かばなかったんだぁ
悪ィな――・・・
が立ち去った後の廊下をじっと見つめ、崩れるように壁に寄りかかった俺の頬に
一筋、涙が零れ落ちた
どうせ嘘をつくのなら 最後の最後まで突き通して
(私には・・隊長の優しさが辛いんです・・)
(お前が表の世界で笑って生きられるなら、俺はなんて思われてもいい)