ヴァリアーであり、オレのパートナーの

今日は一緒の任務だ

久々に行動を共にする事に若干足取りを弾ませつつ、目の前に出てきた敵アジトの人間を切り捨てる


ナイフとワイヤー、両刀に切り裂かれた敵は、瞬時に無残な肉片へと変わり果てた

フツーの女だったらここで泣き喚いたりするんだろーけど、そこはやっぱりヴァリアーでもあって、オレのお気に入りでもあるだから

そんなのものに大して反応する事も無い


はピチャピチャと血だまりの血を跳ねさせながら、ゆっくりと敵アジトの中へ向かって歩き出す

オレも、そんなの後ろについてアジトの中へと潜入した
















「呆気ないわね」



「だな。

 王子こんなんじゃつまんねーって」




中に潜入し、待機していた人間をと共に全て切り殺す

一瞬にして惨状とかしたこのフロアは、血の臭いで充満していた


無残に転がる死体の山を踏み越えて、更なる奥の主要施設を目指して別のフロアへと向かう

別フロアへと向かう為の廊下も、先ほどのフロアで殺した人間の血で紅く染まっていた



自らの視界を埋める大量の紅に気分は高揚し、興奮していく



鼻腔をくすぐる鉄の臭いに恍惚としていると、前方を歩いていたが振り向き慌てて何かを叫ぶ



でも、そのときのオレは、ぼーっとしていたから、が何を言ったのかも良く分からなかった



任務中にぼーっとするだなんて、殺し屋失格だなオレ



なんて若干冷静な頭の一部が考えながら、眼は何かを告げようとしているの唇を見つめる



普段あまり喋らないアイツが、必死に唇だけで告げる





「に  げ  て」






オレがの唇の動きで言葉を理解するのと同時に、右肩に衝撃が走る




あ、れ?


もしかしてオレ、撃たれた?




徐々に痛みが広がっていく右肩を押さえつけると、ドロリとした生暖かい感触が手に触れる

その感触の正体を確かめるように左手を眼前へと持っていくと、左手は


真っ赤に 染まっていた


オレの 血で




――――プツン





















そこからオレの意識は無くなった



多分いつもみたいに血を見てキレたんだと思う



でも、さぁ



でも、オレはオレだよな?



意識がなくなって、もオレはオレなの、に




なんで、自分の大切なもんくらい、解らなくなってんだよ




お前を、殺し、たのは、オレなの?





なぁ―――

 

 

薔薇散々 ( バラバラ ) ディストーション