「・・・完璧ですね」







って、完璧なわけあるかっ!!







満足気に私を見て微笑むセバスチャンに、私の右ストレートが飛ぶ

しかし、それはセバスチャンにすんなりと避けられ私は勢いで前へとつんのめった


倒れ掛かった体をセバスチャンに抱きとめられると、ふわりと彼の香りが漂う

恨めしげに視線を上へと向けると、そこには柔和な笑みを浮かべながら私を見下ろすセバスチ
ャンの顔が

美しく整った顔だけに、微笑まれると不覚ながらもドキッとする







「やはり、似合いますね。

 猫耳





・・・・・・・・・







言いながらセバスチャンは、私の頭につけられた黒い猫耳へと手を伸ばす

ふにふにと触られると、神経が通っているわけではないが不快な気分になった


ぱしっと手を払い、セバスチャンの腕から抜け出すと「おや」と仰々しくセバスチャンが言う

私は頭に付いた猫耳を揺らしながらびしっと指をセバスチャンに向けて叫んだ







「どーいうつもりよ!なんなのよコレっ!!」







「何って、猫耳ですね

 ついでに、猫手袋とかもありますが、つけますか?」






つけないわよっ!どうして私がこんな格好しなくちゃいけないの!?」






「どうして、と私に言われても困るのですが・・・

 今日坊ちゃんに会いに来たエリザベス様が貴女にそれを着ろと仰ったのでしょう?」






コレを着ろと言ったのは、正確にはエリザベス様じゃなくて貴方よセバスチャン







しれっと言うセバスチャンに、指を突きつけて言う

するとセバスチャンは「そうでしたか?」と白々しい笑顔を向けてきた






「っ・・・!もういいわ、外すッ!」





セバスチャンの態度にいい加減嫌気が差し、自ら猫耳を外そうと頭に手を伸ばす

すると、今の今まで白々しい笑顔を浮かべていたセバスチャンは機敏な動きで私の手を止めた


私の頭よりも幾分高い所にあるセバスチャンの顔を見上げると

彼は笑顔のまま言った






「ファントムハイヴ家の執事とはいえ、私だってたまには癒しが欲しい時ぐらいあるのですよ

 猫にも癒されますが、貴女にも・・・ね」

 






貴女だけに癒される









遺書

ひたすらごめんなさい

エセバスチャン。彼はもっとかっこいいです。

こんな変態チックじゃありません。骸さんめいてます (全国の骸好きに謝れ