気持ちいい朝の目覚め方。



「うーん……
トノサマバッタ…が…しゃもじ……。」



奇妙な寝言を吐きながら寝返りを打つ私、


導師守護役長である私は、ものっそい多忙の身である。
しかし!どんな人にも一週間がある!日曜日がある!!

生物学上ヒト、ホモサピエンスと呼ばれる限りは、労働基準法が適応されるのだ!!


そして今日はというと…
日曜日!てかレムの日!!!!!


そりゃあもう、うへへへへですよ。寝曜日ですよ。
寝溜めはできないのよね〜なんてアニスと昨夜のたまいあったのがウソの様に
ただいま私は爆睡しております。


「ん、むぅ…
カルマ……」


さっきから何の夢を見ているのかというツッコミは無用。
腕になんだかマフマフした物
(ザピィにあらず)が当たったので
元々抱き枕愛好家の私は何の迷いもなくそれに飛びつく


「ふぁ、あったか…てかまふまふ……、しあわせ〜…。」


「それはよかったです。」


真っ白でぽわぽわしてて、暖かくて優しい声…?声!!!?



「寝起き姿で僕に抱きついてくるなんて、素敵なお誘いありがとうございます
。」


「ぬぁああああああああああ!!!!?」


そう、抱き枕の正体はベタだけど導師・イオン様だったのです。
史上初じゃない?導師を抱き枕って。考えただけでムフフなんですけど。
実際やってぬぁああああなんて叫んでいる人間が何を言うか。

ドアップで目の前に映し出されたイオンの可愛らしい顔に、私は慌てふためいてベッドから転げ

落ちる。


「いいい、イオン…どうしてここに?」


たしかちゃんとカギをかけたはずだけど…


「愛の力です。」


ウ ソ こ け 。

相変わらず朗らかな笑みを浮かべながら、彼は私にじりじりとにじり寄ってくる。
彼が一歩近づくたびに、私も一歩下がる。

ベタだ、ベタ過ぎる…
てかそもそも本当にどうやって入ってきたんだおまい!

そんなツッコミを頭の中で繰り返しつつも、口はパクパクいいながら
ついに私は壁際に追い詰められてしまう!!!

ホント、どこまでベタなら気が済むんだ。


「ホントにアンタどうやって入ってきたのよ、鍵3つもかけてるのよ!!!?」


変態(不特定多数)を防止するために、無駄にユリア式封咒までかけて。
どうやって?とか聞かない、そこ。


これ以上逃げ場のない私を満足げにひとしきり見つめてから
イオンは堂々と私を抱きしめた。もう抵抗する気にもなりません…。


「それは適当にダアト式譜術とか、ダアト式解除術とか使ってヘアピンで…」


「何でもかんでもダアト式をつければ済まされると思うな!
てか何ヘアピンって、明らかにピッキングじゃない!!!!!!」


しかも小中学生レベルの!!!!!!!!
余談だけど私、これでよく音楽室に忍び込んだわ。

そんなことはどうでもいい、そもそもなんで彼はヘアピンなんて持ってるんだ。


「これですか?
「私のじゃない!!!!!!」


ヘし曲がったヘアピンを自慢げに取り出すイオン。
あぁ私のヘアピン…こんな変わり果てた姿に……
いくら100均で大量に入ったやつだったからって、こんな末路は悲しすぎる…
よよよ……(泣いてるんです)


「いつの間に持ち出したのよ…」


「これは
がアニスと一緒にお風呂にh「もういい……」


今度からアッス(アッシュ)に見張りを頼もう。
いや、アッスじゃヘタレだから駄目だ。
シンク?そもそも頼んでも駄目そう、むしろ覗かれそう。入ってきそう。

だってコイツ(イオン)と同じレプリカだもの!!!!!!!!


「アニスと順番こに入るか…」


「何か言いましたか?
。」


「いえなにも……。」


相変わらず抱きついた体勢のまま、イオンはブラックオーラ全開で私に微笑みかけてくる
止めてくれ、もう一度強制的に夢の世界に飛びそうだ。
そう、気絶という名の下に…


「…で、どうしたのこんな朝っぱらから……」


…もうお昼ですよ?」


なんとか話を逸らそうとした私。
するとイオンは小さな時計を私に見せながら呆れ顔をしてため息を吐いた
あぁ、完璧寝すぎたのね…


「それで起こしに来てくれたの?」


「そうですよ。いつまでも
が寝てると僕、寂しいんで…」



あぁぁぁぁぁ、そんな顔を赤らめてうつむき加減で言わないで!!!!!
アンタの本性忘れて思わず押し倒したくなるじゃない!!!!!

でもそ れ を や っ た ら 最 後 だってことも知ってるから
なんとか私はそれを理性で押しとどめた

あれ?なんか今イオン舌打ちしなかった…?


焦りつつ相手の出方を待っていると、イオンは思っていたよりも早くその沈黙を破った



「それから…」


「それから?」


もうあの沈黙には戻りたくないヨ!!
そう心のカラータイマーが叫んでいる。
イオンに話の先を促すと、彼はすっと私の唇に自分の唇を寄せた



「おはようございます。」


「…お、おはよ……?」



一瞬の出来事に、私は裏返った声でなんとか返事を返す
そんな私の様子を見て彼はくすくすと笑いながら、もう一度私を抱きしめた。



「これがしたかったんです。」


「……そっか…。」


どちらからともなく小さく笑い出す。
私はこつんとイオンのおでこに自分のおでこを当てて、もう一度肌触りのよい
彼の導師服に手を滑らせた。うん、マフマフ……


「と、いうことで、
が誘ってくれてることですし
それに答えないと僕も男がすたります。」


さぁ、とベッドに私を運び始めイオンに、私は本日何度目かの危機を感じ取る


「ちょ、誘ってないから!今の違うから!!!」


男がすたるなんてセリフ、イオンの口から聞けるとは思わなかった
てか、似合わねぇ……(そこが本音)


「問答無用です。」


朗らかな笑みの後ろに花とブラックオーラをばら撒きながら、また私を抱きしめるイオン

今度こそ本気で逃げなくては…!!!!!!!!!!!




こうして私の一日は、スロースターターに始まった。
にしてもスローにしちゃ、追い詰められたスタートだと
でもこんな日がたまにはあってもいいとも思う。


「逃がしませんよ!
!!」


「こっちくんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」




ていうかお前、見てないで助けろ。




end.



アトガキ
うぉう(土下座)

訳の分からない文を長々と…wwww
TRICK JOKER様に相互御礼として献上した作品とです。
リクエストがイオンのギャグではっちゃけて
ということでしたが、どちらかというとはっちゃけてるのはヒロインと今村です(爆)
ヘアピンでピッキングって、人間なら誰しも避けては通れない道ですよね?ですよね?
そんなアナログな小学生だったとです(笑)

この作品は相互サイトのTRICK JOKERディーラー・くろごま様のみフリーでごぜーますだ。