任務ばかりでなかなか逢えない貴方。

  休みが取れると、疲れているはずなのにすぐに来てくれた。

  私のために、疲れた素振りなんて一つも見せないで笑ってくれた。

  貴方が優しいのはよく知ってる。

  だから―――















  D e a r e s t














  今日は久しぶりに彼──ラビが来てくれた。

  「久しぶりさ、。 ごめんな、任務ばっかでなかなか休みが取れなかったんさ」

  久しぶりに逢ったラビは、いつもみたいに笑ってくれた。
  でも、ラビは知らないだろうけど、私は昨日帰ったばかりだってこと知ってる。
  だから、疲れてるはずなのに。
  それでもラビは笑ってくれてる。

  「いいよ、ラビはエクソシストなんだもん。 忙しいのは仕方ないよ」

  そうやって笑ったけど、たぶんラビには淋しかったこと、ばれちゃったと思う。
  ラビがすまなさそうな顔してるもの。


  「ごめ・・・「ラビ」


  謝ろうとしたラビの言葉を遮って、私は名前を呼んだ。
  これ以上一緒にいたら、折角決意したのに気持ちが揺らいでしまうから。

  「何さ?」
  「・・・・・・・・・」
  「・・・? 今日のお前、ちょっとおかしいさ。なんかあったんか?」

  心配そうに眉を寄せてラビが顔を覗き込んでくる。
  私は、視界に入ってきたラビを追い出すかのように目を閉じた。
  『私』を封じ込めて、仮面を被るために。
  ふっ、と目を開ける。
  感情を込めず、ただ冷たいだけの目で、ラビを見据えた。


  「・・・・・・私たち、別れよ?」
  「なっ・・・!? なんでさ!? 俺が嫌いになったんか!?」


  やっぱり、予想通りの反応をした。
  きっと心の中では心当たりを探してる。
  狼狽えるラビの姿を見て泣きたくなった。
  でも、泣いちゃダメ。

  「もうラビと付き合うのは疲れたの。任務ばっかりでなかなか逢えないし」

  泣きそうな顔してるラビに追い打ちをかけるように、嘲笑うような笑みを向けた。
  また、ラビの顔が歪んでいく。

  「・・・」
  「気安く名前を呼ばないで。ラビなんてもう嫌いなのよ。さっさと出てって」

  私はラビから顔を背けた。
  これ以上、私が傷付けてしまったラビを見ていられないから。

  「・・・ごめん、な。 もう、ここには来ないさ」

  それだけ言って、ラビは出ていった。
  足音が次第に遠くなる。
  それとともに、私の顔が歪むのがわかった。
  足音が完全に聞こえなくなった途端、堪えていた涙が溢れて、私はその場に崩れ落ちた。

  「ごめんなさい、ラビっ・・・!」

  傷付けたくはなかった。
  でも、これ以上私の我儘に付き合わせたくはなかったの。

  「ごめん、なさい・・・!!」

  嫌いになったわけじゃない。
  今でも好き。愛してる。
  だからこそ私は、この道を選んだ。
  後悔しか残らないのも分かっていたの。
  だけど愛してるから、ラビの重荷になりたくないから、嫌いになったふりしたの。

  「ごめんね、ラビ・・・っ!」

  傷付けて、悲しませて、ごめんなさい。










  流れる涙が止まらない。

  零れる謝罪の言葉が止まらない。

  溢れる気持ちが止まらない。

  もう、貴方には逢えないのに。

  私の言葉は貴方には届かないのに。

  傷付けてしまったせめてもの償いとして、私は貴方の幸せを祈ります。


  伝わらなくてもいい。

  ずっとずっと、愛しています。

  さようなら───最愛の人。












 あとがき   なんか短い・・・!   そしてワケがわからない!   っていうかこれ夢といえるんでしょうか・・・?   この作品は相互記念としてTRICK JOKERのくろごま様に捧げたものです。   駄文ですいません・・・!   苦情返品受け付けますので!   くろごま様、こんなんでよろしければお受け取りください。   これからもよろしくお願いしますね!   くろごま様のみお持ち帰り可。



  2006.11.17
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