「ウルキオラ」




「・・なんだ」





私の呼びかけに、いつもどおり無愛想に返すウルキオラ

無愛想だけど、返事をしてくれるだけまだいい

初めてであったときなんて、声をかけても無視されるし、返事なんてしてくれなかった

それを思えば、今こうしてウルキオラが返事をしてくれるのがとても嬉しく思えた


昔と今の変化を思い、笑みを浮かべるとウルキオラの顔は怪訝そうに歪められる





「何を笑っている」





「いや、昔のことを思い出してさ

 ウルキオラ、私と話してもくれなかったなーって」





「・・・お前みたいにうるさく纏わり着いてくるやつが、面倒だっただけだ」





「うっわ、酷い」





ウルキオラからの口撃に、大げさに肩を落として落胆してみせる。

ウルキオラは呆れたように息をついたが、私はそのまま続ける





「でも、今私と話してくれてるんだから

 昔よりは好きになってくれたの?」




「・・・・・」





「ね、ウルキオラ

 答えてよ。お願い」




ね、ともう一度念を押すように言うと、ウルキオラは大きく嘆息しながら視線を私に合わせる

ウルキオラの碧の瞳とぶつかると、胸が早鐘のように鼓動するのがわかった


そんな私と違って、ウルキオラは表情を変えることなく、いつもどおりの無愛想な顔のまま言葉を紡ぎ出す





「お前の『お願い』は、聞き飽きた」




「答えてくれたって良いのに」




ウルキオラの答えに頬を膨らませながら、ウルキオラに背を向けて歩き出す

の行動を疑問に思ったらしいウルキオラは振り向いての背に疑問を投げかけた






「何所へ行く」





「藍染様に言われて、現世にちょっと、ね」





ウルキオラに尋ねられ、振り返らずに私は言葉に詰まりながらもようやくそれだけ答える


もう、最期かもしれない

もう、二度と貴方には会えないかもしれない


ううん、かもしれないじゃないの

きっとそうなる


破面になってから研ぎ澄まされた私の勘が、そう、訴えていた

ウルキオラの顔を見たら、きっと泣いてしまうだろうから

振り向かないで私は言葉を発する






「ウルキオラ・・・

 


あたしが死んだら、少しでいいから悲しんで」






「何を・・・」



「これで、最後のお願いだから、ね?」



「最後?

 どういうことだ」



「それじゃあね、ウルキオラ」




・・・・

声が、震えていた気がする

ウルキオラは、の様子に若干の不安を覚えながら

彼女の言う、『最後』のお願いの意味を考え始めた








ウルキオラが、の『最後』の意味を知るのは、それから数日後

もう2度と自分に、が笑いかけてはくれないと思った瞬間に

ウルキオラの胸をちくり、と鈍い痛みが貫いた








この胸の痛みの、理由が分からない。お前が、居なくなったからなのか?


この痛みが、悲しみならば、俺はお前の願いを叶えたことになるのだろうか


お前の願いを、聞いてやるつもりは無かったんだがな


痛みが、消えない







残像アフリツィオーネ





初ウルキオラ夢。

無念すぎる・・・;;