「Hey!

 久々に勝負と行こうぜ!」

「望むところです政宗様!」

「今日は勝たせてもらうぜ」

「いいえ、今回も私が勝たせていただきます」





睨み合う男と女

右目を眼帯で覆う男は、奥州を纏める筆頭、伊達政宗

対して女は伊達軍の武将である、

身分も性別も違う2人のこのやりとりは、伊達軍の間では既に名物とかしていた






「俺は政宗様に賭けるぜ!」

「俺も政宗様、と言いたいトコだが

 のヤツも中々だからなー」

「頑張って下せェ、政宗様ァ!!!」






2人がこのやりとりを開始すると、決まって周囲には家臣たちが集まり

2人に向けて声援やらなんやら言葉を投げかけ、次第には2人の勝負に賭け事まで持ち出す始末

どうやら毎回な事のようだが、仮にも自らの主君を賭け事の引き合いに出すというのはどうだろうか

いささか考え物である


唯一この場を収める事が出来るであろう小十郎は、盛り上がってきたこの場と

2人を止める術が無い事を知っているので、大きく嘆息しながら事態を見守る






「では、政宗様・・・」

「OK。行くぜェ・・・」





真剣な眼差しで見合う2人に、盛り上がっていた周囲はシン、と静まり返る

だれかがごくり、と生唾を飲む音がやけに大きく聞こえた






「準備はいいか、

「いつでも」

「Ha!じゃあ、Startだ!

 
Go!!

はっ!!






政宗の言葉を皮切りに、同時に2人は駆け出す

腹を蹴り、加速した馬に乗った2人の姿は家臣たちから見てみるみる内に小さくなっていった






「政宗様ッ!!
 
 また勝たせて頂きますよっ!!」


「Ha!今日は俺が勝つって言ってんだろ!!」






雄叫びを上げながら徐々に小さくなっていく政宗とを見ながら

小十郎は一国の城主である主君の姿に、1人大きく嘆息した






ッ!」

「政宗様ッ!!」




「「
ぜってェ(絶対)負けねェッ(負けませんッ)!!!」」








負けず嫌い協奏曲








 




遺書

伊達軍ってすごいですよねー

暴走族ですよ、暴走族(ぇ)

そして、政宗さんのあの異常なまでのバランス感覚・・・

うむぅ・・すごい (ぇ)